ソ連崩壊の主原因は何か?



ソ連経済は、原油収入で回っていた。エリート層の賄賂というとなんだが、文化的な支出もそれに含まれているのではないか。なにより、先にあげた日本側の諸説、「ソ連経済の非効率性、最も基本的な消費財の、悪名高き品薄」は主要因ではなさそうだ。
 これが現在のロシアの主流の考え方なのか?
 そのようなのだ。
 このことに関心をもったのは、3月25日の石川一洋・解説委員による解説『ロシア対サウジアラビア原油価格暴落、それぞれの思惑は?』(参照)である。

Q なぜ、サウジアラビアとロシアの交渉は決裂したのでしょうか? そもそもサウジアラビアとロシアはどのような関係だったのでしょうか?
A ちょっと歴史を冷戦時代までさかのぼらせていただきますと、実はロシアとサウジアラビアの関係は、原油生産においてはライバル同士、政治的には長く敵対関係にありました。東西冷戦の間は、サウジアラビアアメリカをバックにして、アラブ諸国における反共産主義体制の柱でした。
 実はソビエトは70年代のオイルショックによる原油価格高騰で外貨収入が増えて、恩恵を受けていました。このソビエト経済に打撃を与えようと原油を利用したのがアメリカでした。1985年アメリカがサウジアラビアに密かに原油の増産を依頼して、サウジアラビアが応じたいわゆる「リヤド密約」です。この密約によって80年代後半原油価格は低迷、ソビエト財政は外貨収入が減少して破綻していきました。ロシアの経済学者はリヤド密約こそ、ソビエト連邦崩壊の主な原因だとしています。

 つまり、「ロシアの経済学者はリヤド密約こそ、ソビエト連邦崩壊の主な原因だとしています」ということだ。